終日、事務所で仕事、来客の応対、電☎話掛け。一週間、ハードな行政視察で御世話になった千葉県議会事務局及び関係者に心から御礼申し上げます。
19時半、帰宅。夜、読書。 23時、テレ東・WBS(ワールドビジネスサテライト)を見て御終い。 中国発の新型コロナVIRUS肺炎に世界が震撼。中国で80人が死亡、感染者は世界全体で2,750人以上と報道。世界経済への影響も懸念されている。 さて、初のUSA体験についてMEMO。そして思ったことを書く。 〇 カリフォルニア州(州都:サクラメント)。州面積:423,970㎢(全米第3位/日本国土の1.1倍)、人口:3,725万人(全米第1位で米国人口の約12%)、温暖な地中海性気候でまさしく一年中「カリフォルニアの青い空」。 〇 ロサンゼルス市 面積:1,301㎢、人口:3,792,621人(NYに次いで全米2位)都市圏人口は15,250,000人 〇 サンフランシスコ市 面積:121.4㎢、人口:852,469人、隣接するオークランドやサンノゼを加えた広域都市圏のベイエリア人口は7,092,596人で全米6位。世界6位の金融センター。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校は全米有数の名門校。 〇 ロサンゼルスは中心市街地が衰退し殺伐としていた。リトルトーキョーもチャイナタウンも寂れ、郊外へのスプロール化が著しい。世界のエンタテイメント・映画産業の中心の面影を感じなかった。気候は良いのだろうが殺伐とした空気感を覚えた。住めば良いところもあるのだろうが、文化や歴史を感じることはないだろう。ロス市警のコロンボ警部のイメージが強い。 〇 サンフランシスコは夢のような街だった。「ダーティ・ハリー」や「ブリット」で観た坂道、街中を走る市電(ケーブルカー)や大規模なダウンタウンにドキドキした。視察ばかりで全く観光はなかったが、映画の通り美しい街だった。ただ、マスタングやシボレーなどアメ車は全く見掛けず、トヨタやホンダなどエコカーがほとんどだった。 〇 サンフランシスコを中心とするベイエリアはシリコンバレー(サンノゼ市)も含めIT産業のメッカ。グーグル、FACEBOOK、ツイッター、アマゾン、アップル、インテル・・・ほか世界の名立たる勝ち組大企業が本社や事業所を構えている。まさしくカネと一級の人(頭脳)と情報が集まる、世界一の勝ち組都市だった。 〇 スタンフォード大学の貢献がシリコンバレーをもたらした。戦後は産軍官学連携のハイテク産業都市として発展、後にNYに次ぐ金融都市に変貌しマンハッタン並みにダウンタウンは高層ビル化(1970~)。また、カウンターカルチャーのメッカでありLGBT運動の中心地。 〇 1990年代後半のドットコムバブルと2001年の崩壊後、多くのベンチャー企業が倒産したが、2010年以降、IT企業が進出し活況を呈している。ハイテク産業と起業家精神はサンフランシスコ及びベイエリア経済を支える屋台骨なのだ。 〇 米国には金持ちが尊敬される文化と云うかアメリカンドリーム信仰がある。19世紀のゴールドラッシュの時代を経て、命懸けでカネを稼ぎ成功しようとする欲望剥き出しのスピリットである。日本のHリエモンやM社長レベルでは序の口。 〇 徹底した合理主義と個人主義の社会。生活の快適性を追求する指向性(アメリカン ウエイ オブ ライフ)。その現実の根底にはカネを唯一の価値の尺度として認める文化、露骨な拝金主義を感じる。IT(情報通信)もカネに至る手段=道具であり、倫理や道徳も関係ないのだ。 〇 テクノロジズムといった技術の支配、経済のグローバリズム化:カジノ化した強欲な資本主義による格差社会現象(LAもSFも人口の何と約1%がホームレス!!)、環境保護を叫びつつ世界一のCO2排出量や原発の発電量を中国と競う米国、「環境」を理由に「空気」まで国家や資本のマネー取引をする米国・・・。疑問や矛盾を数え上げたら限がないと思う国USA。 で、率直に申し上げて、同行した他の県議の先生方がどう感じたか分からないが、人間の生と存在そのものにつきまとう病理を、ぼくはカリフォルニアの青い空の下で感じていた次第である。もっと云うと、甚だ失礼なもの言いになるが、歴史も伝統も文化もないことが、この国の文化ではないかとさえ思った。同じアングロサクソンでも、英国ロンドンとは全く異なる空気感だった。 〇 シンギュラリティ(技術的特異点)、すなわち人工知能(AI)が人類の知能を超える時代、ぼくは生きてないと思うし、楽天もソフトバンクも会社がどうなってるか知らないが、そんなに遠い未来(2040~)ではない。シリコンバレーが牽引するAIが、人類に豊かな未来をもたらしてくれると云う楽観的な見方を、ぼくは保守主義者として絶対信じない。 〇 E-スポーツを囃し立てる風潮に怖気が走った。カジノとは桁違いに教育上、問題があると思う。 〇 20世紀の後半からのハイテク革命と金融グローバリズムはUSA発のキャピタリズムとして猖獗を極めていると思っていたが、この底抜けに明るく希望に満ちたLAとSFで確認。新約聖書に書いてあった「マモン」(「悪霊的な力」であり富の魔力が人格化された強欲の化身を表象)を感じた。ホッブズの「リヴァイアサン」の如く、資本のグローバリズムの拡大によって、人間が作り出したマモンが逆に国家も人間も支配する恐ろしい時代の道具にITがなりつつあると思う。 〇 アメリカの正体についての理屈をWBS(ワールドビジネスサテライト)滝田洋一キャスターと議論したいと思うが周波数が異なるため難しい。よほど、佐藤優の方がかみ合うと思った。 〇 ICT利活用の分野で米国は、日本をどれだけリードしているか分からない。文化も歴史も異なる彼らから、そもそも学ぶべき点があるのだろうか。千葉県も格好をつけ慌ててICT利活用に走る必要はない。着実に一歩づつ進めればいいというのが、今回の行政調査の結論である。あまり書き過ぎると、時代遅れの偏屈野郎と思われて票を減らす可能性があるので本日はここまでとします。
by takinowa
| 2020-01-27 23:01
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