16.07.20(水) 都知事選、大混戦(-_-メ)

 大橋巨泉さんが逝った。先日の永六輔、更には野坂昭如や小澤昭一といった昭和を代表する早稲田出身のタレントや文化人がこの数年で永眠。時代の流れを感じるものである。
 彼らには在野の精神と云うか反体制・反権力・反骨…等々の共通したイメージがあったので、保守派の私とは波長も合わなかった。と云うよりも、マスコミ系に多い独特の早稲田的(例えば久米宏が典型)な胡散臭さがが嫌いだった。ただ、TV・Radioや文筆といったメディアの世界で異能を発揮し、そのcharacterが一級だったことは率直に認めたい。心から御冥福を祈る。
 で、東京都知事選の茶番も凄いことになっている。「ヘーゲルは言った。『歴史は繰り返す。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として』」(マルクス「ルイボナパルト・ブリュメール十八日」)に限りなく近い。(1度目は猪瀬直樹辞任劇、2度目は舛添辞任からのドタバタ劇)
 ただ、本日報道された小池百合子候補による鳥越俊太郎候補への発言:「病み上がりの候補」は絶対に許されない言葉遣いである。「がん対策に本気で取組むべき立場であり、がんと闘っている多くの国民を前に、よくそのような心のない発言をするものだ」という憤りの声も寄せられてきた。新聞によると、鳥越氏は四度のがんの手術から立直り、野党統一候補として戦いの駒を進めている。しかも日本の医療保険制度上の後期高齢者に分類される76歳での立候補だ。このこと自体、多くのがん患者や後期高齢者に勇気と希望をもたらしたと率直に評価すべきではないのか。いずれにせよ、小池候補の心のなさ、自分さえ良ければ、目立てば…といった過剰な自己愛が透けて見える。もっと言えば、知事選後の冒頭解散をブチあげること自体、小泉劇場のポピュリズム政治の二番煎じである。果たして、このような人が帝都のリーダーとして相応しいか、都民にはよく見極めて頂きたい。
 ただし、鳥越さんの立候補にあたっての準備不足には目を覆いたくなる。政策が全く見えない。率直に申し上げて、ジャーナリストとして賞味期限切れとまでは言わないが過去の人であるとの評価も多い。ハッキリ言って、かつての面影や斬れ味は全くない。で、タイプとしては、威勢のいい反権力を売り物に知事に当選し「都市博中止」以外に全く目に見える政策を打ち出せなかった青島幸男元都知事とイメージがダブってならない。そもそも、具体的公約なしで立候補すること自体、政治を馬鹿にした所業だ。小池氏と同様、知事には絶対相応しくない候補といえよう。また、ここにきて鳥越氏に関する文春のスキャンダル報道といった情報も流れている。
 とにかく、大手メディアは小池・鳥越を中心に報道しているが、私の評価は上記の通り。その他の候補者については、よく分からないのでノーコメント。
 ただ、これだけの大きな選挙で立候補者も二十数名となれば、都民有権者にとって、どの候補がベストな選択かなど極めて難しい問題だ。ここは、逆説的な選択となるがアテネ民主制における「陶片追放」のアナロジーで判断してはどうだろうか。歴史的な詳しい説明は省くが、要は消去法の発想だ。代表として相応しくない候補名を陶片に書いて投票するというアテネの選挙制度である。よって、私ならば上記二名のうち一名を陶片に単記することになるだろう。

 終日、事務所で仕事、来客の応対、電☎話掛け。御盆までの様々な行事や会合等の日程調整。8月もそれなりに忙しくなる。
 21時、帰宅。夜、読書。
by takinowa | 2016-07-20 21:25


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