13.10.10(木)

 一週間にわたる質問戦が終わった。 まさに燃え尽きた。
 昨日の千葉日報一面トップで私の一般質問が取り上げられた。
 〈 北総線運賃問題 「 補助金ないと元の水準に 」 地元報告書と見解分かれ 〉
と大見出しとなっている。 私の基本的考え方については近日中にUPされる動画を御覧頂きたいが、県の答弁通り「 運賃が元の水準に 」もどるようなことになれば大問題だ。 というよりも、このまま二市と北総鉄道の協議がまとまらなかった場合、当然予想される結末である。 可及的速やかに、二市は報告書を県+6市と北総鉄道の枠組の場に提出し協議することが先決と考える。
 私は運賃が高過ぎるという利用者の感情を理解する。 ただし、北総鉄道の運賃問題は経済交渉であるという冷静で乾いた認識も必要だ。 今回の場合、鉄道事業者の側に100%の権限があるという前提をまず認めねばならない。 ゲームのルールとしては圧倒的に不利である。 しかしながら、政治力を駆使し、行政を動かし、何とかして交渉を前進させなければならない。
 もちろん、二市を含む地元は自分たちの正義を主張することは当然だ。 しかしながら、交渉事には相手が存在する。 私としては認められないが、相手にも相手なりの正義や言い分もある。 さらに絶対の権限を保持している。 で、客観的には、複数の正義に基づく主張が存在している状態だ。 御互いに、正義は我に有と主張し続ければ、論理的に申上げて交渉は座礁する。
 以前も書いたが、当事者のインテリジェンスが問われると私は考える。 交渉事である以上、相手の内在的論理を理解することがまず第一である。
 また、現在地元では「補助金支出なしで、抜本的値下を!」と主張するグループが存在することも私は知っている。 もし、実現可能ならば文句無しの話である。 だが、良く考えれば私の心友・佐藤優が携わっていた対露・北方領土交渉に例えれば、「四島一括即時返還!」といった原理主義的主張と同じ構造ではなかろうか。 この主張は、日本人の思いとしては自然かつ国民の悲願である。 しかしながら、現実はどうだろうか。 交渉には相手がある。 ここで関係を類比的に考えれば、ロシアが北総鉄道・京成電鉄、地元自治体側は日本と整理できる。 そして、交渉の目的は、四島返還=抜本的値下となる。 確かに原理・原則は大事だが、局面に応じて交渉には柔軟さも必要と申し上げたい。
 さて、政治家的には選挙民の前で勇ましいことを述べれば格好がいいに違いない。 だが、現実的にタフなネゴシエーションに関わる人間は決して威勢のいいことなど言わない。 どちらかといえば、交渉相手に厳しく対峙する者は、内に対しては抑制的な物言いとなるはずだ。 何よりも愚の骨頂は、無責任に国民や住民の期待値を上げ過ぎることである。 結果的に、交渉事の躓きの石となりかねない。 いや、必ずなると断言したい。
 いずれにせよ、領土を実効支配する絶対的相手に対し、交渉における100%の完勝は実に困難だ。 また、外交の最終手段である武力で奪還するという手も残っているだろうが、ハードルは余りにも高過ぎる。 これは経済交渉の場合も同じである。 何度も繰り返すが、当事者には冷静な対応と交渉のインテリジェンスを求めたい。 それぞれに、重大な結果責任があるということを御理解頂きたいと思うものである。 今、私には開戦前夜が近づいているような気がしてならない。 今後、この問題については本ブログで随時取り上げて参りたい。

 終日、事務所で仕事。 バーンアウト状態で身体に力が入らない (>_<)
by takinowa | 2013-10-11 01:27


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