12.08.14(火)

 5時半、御墓参り。
 御盆の親戚廻りと御墓参り。 午前、柏市沼南の祖父・故映治の実家へ。 午後、岩戸の母・故雅子の実家へ。 15時~17時、自宅で昼寝。 夜、読書。

 大反響! 発売(7/27)10日で7万部突破のベストセラー、佐藤 優 著 「 読書の技法 」(東洋経済新報社・1,500円)を読む。 月平均300冊、多い月は500冊以上という佐藤の読書量は超人的だ。 筆者は、心友・佐藤の自宅や箱根仙石原にある仕事場を何度か訪ね宿泊したことがある。 人文科学及び社会科学系の学術書及び洋書の蔵書が4万冊以上と、まさに度肝を抜かれる。 また、四百字詰原稿用紙で月に1,000枚を超える執筆量とペースも、まさに桁外れ。 学生時代もそうだったが、どのような状況でも途轍もない集中力で机に向かい、原稿執筆や読書、語学学習に打込む様子は現在も変わっていない。 本人の話によると、外交官時代も含め睡眠時間は4時間/日とのこと。 私としても心から畏るべし、と思っている。 11月下旬には印西市で講演を御願いしているが、今からとても楽しみである。
 本書では、多読や熟読、速読の技法、読書ノートの作り方や教科書・学習参考書の使いこなし方・・・等々が取り上げられ、若手ビジネスパーソンや官僚が即実践に役立つ知的刺激に満ちた How to の構成となっている。 私としても50歳を過ぎたが、もう一度虚心坦懐に、高校生レベルの基礎的教科書を学び直さなければならないと思った。
 本書において心から頷かされた箇所を抜粋・引用し、御紹介する。 
   < 小説は「代理経験」としても読める > (221頁)
 「・・・ 本当のエリートには、単に学力が秀でているだけでなく、社会や国家を指導していく識見と人格が求められる。 そのための基本が「他人の気持ちになって考えることができる」ということだ。
 もっとも、エリートは他人の気持ちを理解しても、その気持を踏みにじるような決断をしなくてはならない事態に直面することもある。 その場合も一部の人々を犠牲にする決断を下すことが、社会や国家全体のために必要であるということを、エリートは論理的に説明できなくてはならない。 それとともに犠牲になる人々の痛みを感じ取る能力も必要とされる。
 論理能力は、社会科学や哲学によってつけることができる。 これに対し、犠牲にされる人々の痛みを感じ取る能力は、具体的人生体験だけでなく小説を読み、他者の心理を代理体験することによって育まれるのである。
 つまり、社会や人間を理解するには二つの道があるということだ。 一つは「学術」的な道であり、これは社会科学や人文科学によって獲得する。 それに対して「心情」を通じた道もある。 これは小説を読むことによって獲得することができる。・・・ 」
 思わず、早稲田大学あたりの入試・国語現代文で取り上げられそうな文章で、唸らされた。
by takinowa | 2012-08-14 20:40


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