09.12.15(火)

     県議・滝田敏幸、もの申す! 是は是、非は非 (12)
    「事業仕分け」の空騒ぎとは、一体全体、何だったのか

 鳩山政権に対する礼賛のファンファーレが止みつつある。大マスコミが野党自民党の批判的主張を全く報道しないにもかかわらず、もっと言えば、自民党の存在感が限りなくゼロに近いにもかかわらず、世論の風向きが変わりつつあるようだ。
 昨日公表されたNHK世論調査によると、鳩山内閣支持率は対前月-9ポイントの56%、不支持率は+13ポイントの34%となった。特に注目すべきは、「民主党マニフェストの主要項目を見直すべきか」との問いに対し、「見直すべき」50%、「どちらともいえない」33%となり、「見直すべきでない」11%を大きく引き離した。また、偽装献金や母親からの多額の資金提供を受けた問題で、鳩山総理の姿勢を「納得できない」が70%、、「納得できる」24%となった。
 現在、政府による予算編成作業が行われているが、もし鳩山内閣が「マニフェスト至上主義」に本気で邁進するならば、この国は必ず沈没する。思考する輿論も気付き始めているに違いない。

 日本人は兎角忘れやすいと言われるが、どうしてもあの事業仕分けの「空騒ぎ」についてもの申しておきたい。臨時国会開会中であったにもかかわらず、ほぼ一ヶ月間、日本の政治は思考停止状態に陥ってしまった罪は大きい。小泉政権時代の劇場型政治で日本がどうなったか。私は自民党政治家ではあるが、小泉改革がもたらしたモノ・カネ優先の社会を一貫して批判してきた。折角、政権交代したのにもかかわらず、党を挙げて、メディアジャック戦略を展開するとは如何なものか。これでは、小泉ワイドショー政治の二の舞と言わざるをえない。
 また、民主党が本当に政治主導というのであれば、なぜ内閣が予算案の作成を最後まで責任を持って自らの手で行わないのか。そもそも、国民(納税者)の代表たる国会議員が、国会の予算委員会で議論を行うことになっている。議題が膨大だというのなら、特別委員会等を設置する方法もあるはずだ。仕分け応援団と化したマスコミは「予算編成の透明化」というが、それは内閣が情報公開を徹底すればよいことではないのか。あのような人民裁判というか、新左翼学生運動の大衆団交もどきの吊るし上げは、議会制民主主義国家の政府が音頭をとるべきことではない、と強く訴えたい。特に、連航議員や枝野議員はじめ仕分け人のあの態度は、誰がどう見ても威圧的・高圧的態度であり、完全無欠の正義の味方になったつもりで自分に酔っている姿にしか見えなかった。
 日本国家と国民に責任を負わない民間人(外資系企業の外国人を含む)に、大事な予算案を弄(いじ)らせるとはまさに異常事態。確かに予算編成の透明性を高めること、そしてその実態を知りたいという納税者としての国民の思いは理解する。この点で考えれば、ワイドショー的・劇場型の今回のやり方が拍手を受けたことも合点がいく。しかしながら、仕分け人なる人がどんな資格、経験で、わずか1時間で判断できるというのか。マスコミでも指摘されたが、財務省があらかじめ叩き台の資料を作成し、それにそって作業が進められというからまさに茶番劇である。官僚政治打破と言って政権交代したのに、実は官僚の中の官僚と言われている財務省に使われているのが実態であり、「カラクリ」であったのだ。どうせ公開でやるのなら、財務省から資料が出され、仕分け人がレクチャーを受けているところも全て公開すべきであり、それが公平・公正ではないのか、と申し上げたい。
 口では「(自民党政権下の)行政の無駄を省く」と言っているが、行政刷新会議の内実は財務省主導による相変わらずの緊縮財政、さらに、脱官僚の名のもとに行われる公務員叩きや公共事業悪玉論。一方、民主党マニフェストでは、社共も驚くような現金給付型バラマキ政策を財源措置しようとしているのだから言葉を失ってしまう。相反する矛盾した政策を、同一政権で行おうとするのか。もはや、論理的には破綻状態であり、真っ当な理性を以って予算編成など行えるはずもない。日本国家と国民の危機を感じる。
 私のところにもブログ読者(千葉県柏市の方)から、「・・・ 自民党より多少マシではないかという程度で民主党にはあまり期待はしていませんでしたが、ここまでひどいとは思いませんでした。・・・ 鳩山内閣の成果や業績がある程度ハッキリするまでは冷静に見たいと思っていたが、もう我慢の限界を超えました。私は自民党支持者ではありませんが、滝田県議には地方から、庶民の目線でしっかりともの申して頂くことを期待します。」とのメールも頂いた。

 ここにきて、民主党政治家の様子が以前と大きく変わったように感じる。政権を取るまでの民主党議員(国・県)には、小利口そうに見える人が多かった。一般的に言って、学校秀才風であり、現代っ子的自由気儘な雰囲気が漂っていた。自民党議員が義理と人情、先輩・後輩、長幼の序・・・といった人間対人間の関係を重視するのに対し、彼らは「我を通す」タイプに見えた。
 しかしながら、総選挙後、民主党の政治家は、選挙前とは人が変わったようである。謙虚だった政治家が、政権交代後、高慢・傲慢になった感すらある。県議会や国会での野次も含め、「民主党は勝ったのだ」「民意は民主党にある」「マニフェストは国民との御約束」といった権力者的態度をとる議員が増えている。さらに、民主党政治家の態度が大きくなっただけでなく、硬直した態度をとる者が増えてきている。柔軟な姿勢や発想がなくなったというより、最も憂慮すべきことは、彼らが思考停止状態になってしまったことだ。国会議員も県会議員も皆が、党本部中央の幹事長室ばかり見つめるようになった。
 ほとんど選挙屋(選挙マシーン)と化し、地元で何が起きているかすら気づかない民主党政治家が増えているのではなかろうか。そもそも、民主党議員たちは、党本部からの指令により選挙にばかり夢中で、地方経済の深刻さに関心を示さない。もちろん、疲弊した一次産業の実態や町場の商店街の窮状にも興味がない。何れにせよ、民主党議員の権力主義化は深刻だ。
 政権与党・民主党議員よ、一刻も早く目を覚ましてほしい。

 以下、本日の日記を書く。
 午前中、国営手賀沼排水機場ポンプ故障の件で、地元の土地改良区役員をまわり、県議会一般質問の概要を説明。12時、木下東のくるまやラーメンでチャーハンと餃子(900円)を食す。
 午後、事務所で仕事。近日中に発行予定の「滝田敏幸・県議会リポート 第8号」の編集作業。夕方、来客の対応。本日は休肝日。
 
 千葉県総務部市町村課より、「本埜村に対する地方自治法に基づく是正勧告について」との文書が届く。1市2村(印西・印旛・本埜)合併問題で、本埜村が大きく揺れている。私にとって地元の案件ではあるが、隣村の自治に関することであり、今まで政治的コメントは差し控えてきた。本日の是正勧告で、発言の封印を解くこととする。このことについては、明日以降、本ブログにてしっかりと私の見解を述べていきたい。
by takinowa | 2009-12-15 21:59


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