09.10.06(火)

 午前中、県庁で政務調査。総合企画部交通計画課幹部職員と北総鉄道運賃問題について意見交換。12時、千葉を出て印西へ。
 12時半、佐倉市上志津原にある蕎麦屋「あまね」で昼食。鴨汁蕎麦大盛(300g・1050円)とサービスのミニ天ぷらを食す。実に美味しく、大満足。目立たない立地だが、県庁までの通勤途中にあり、実は前から気になっていた。実川事務所・三橋明秘書より評判は聞いていたものの、お気に入りの蕎麦屋を見つけたという小さな幸せを感じるものである。美味いラーメン屋と蕎麦屋に出会うと、私は本当に嬉しくなる。本ブログ読者の皆様にも是非、情報提供を御願いしたい。
 午後、印西で政務。16時、事務所にもどり仕事、資料整理。
 本日は久々に北総鉄道運賃問題について書く。
 先日(10/1)の自民党代表質問における北総鉄道問題の質疑で、森田健作知事は不退転の決意と「国の責任」という言葉を遣った。県議会において、知事答弁は決定的に重要な意味を持つ。まさに、知事の本気度が伝わってくる答弁であった。いずれにせよ、「北総」は県政の最重要課題となっている。
 今後、京成電鉄による成田新高速鉄道の運賃認可申請を目前に控え、北総鉄道運賃問題は真のヤマ場を迎える。県としても威信をかけ、対国、対京成電鉄の交渉を行うはずだ。最強の陣容をもって、事に当たると聞いている。しかしながら、あまりにも時間がない。
 私としても地元最大の懸案解決に向け、自民党はもちろん民主党はじめ各党に働き掛けていくつもりだ。これまでも述べてきたが北総の運賃問題は、イデオロギーや党派性とは全く無関係である。超党派の課題であり、沿線県民の悲願でもある。ここで重要な役割を演じなければならないのは、もちろん政権与党となった民主党である。そもそも9/5に千葉県と沿線6市2村で合意した運賃値下の要請書は、実質的には国土交通省の指導による調停案ではなかったのか。この期に及び、京成電鉄が難色を示すとは一体何事であろうか。今現在、もっとも問われるべきは国の責任なのだ。
 確かに、沿線在住県民には「抜本的解決ではない」といった不満の声があるのも承知している。また、若井代議士が主張する「官僚システムや外郭団体改革。国も交えた抜本的解決」も理想論或いは一般論としては理解する。ただ、この主張は北総のみならず「P線方式」で鉄道敷設が行われた第3セクター全てに適用される論理である。しかしながら、個別の北総に関しては2010年成田新高速鉄道開業というこの時機を逃したならば、まさに「機会の窓」が閉ざされてしまうのだ。現実的には突破口を開くという意味で、県と6市2村で合意した値下案を是が非でも実現しなけらばならないと考える。北総に関しては、まず運賃値下げの風穴を開け、その後抜本的解決策を考えるというのが筋なのではなかろうか。私はそのような観点から、北総運賃も解決に向け段階的アプローチが必要と考える。
 ここで対比として思い浮かぶのは、対露・北方領土返還交渉である。「4島即時一括返還」という「抜本的」解決に拘れば拘るほど、解決の糸口が見えなくなってしまう。そして、ただ無為に時間が流れていく。外務省はなぜ、四島における日本の主権を確認し、2島(歯舞・色丹)先行返還を実現後に、日露平和条約を締結するという柔軟な段階的解決策を進めなかったのであろうか。確かに、ほとんど実現不可能な「四島即時一括」といった強硬な旗を掲げることで、櫻井よし子や小林よしのりなど右派論客の支持はえられるかも知れない。しかしながら、いつまで経っても抜本的解決には至らず、領土はどんどん遠のくばかりだ。 
 北総運賃問題とあまりにソックリではないか。2010年という「機会の窓」を閉ざさないように是非、政権与党・民主党の柔軟かつ現実的な取り組みを大いに期待するものである。特に、若井代議士には千葉県はじめ印西や白井など地元行政や議会、市民の声をよく聴いて頂きたい。
 太宰治 著「惜 別」(新潮文庫・514円)を読む。まず、「右大臣実朝」。何とも言えぬ無常観が漂った小説である。この暗さがいい。「惜別」も良かった。夏休みが終わり東京から仙台にもどってからの周さん(魯迅)の描写が特にいい。「・・・彼の文藝熱が、こうして徐々に燃え上ってくる同時に、また常に彼の胸中に去来して寸時も離れないものは、自国の青年たちの革命の絶叫である。医学と文芸と革命と、言いかえれば、科学と芸術と政治と、彼はこの三者の混沌の渦に巻き込まれたのではあるまいか。・・・」の行(くだり)を読んだ時、思わず息を呑んでしまった。太宰は逆説の中でしか生きられない人間の生、或いは混沌の中の精神を実に巧みに表現する。
 私は若い頃、太宰を毛嫌いしていたが、今ヤバいくらいハマりつつあるようだ。
by takinowa | 2009-10-06 18:12


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