07.10.15(月)

 午前中、風邪のため自宅で静養。午後、事務所で仕事と来客の対応。
 神野直彦(東大教授)著「『希望の島』への改革【分権型社会をつくる】」(NHKブックス・870円)を読む。資本のボーダレス化がもたらす「20世紀システム」の危機。このことは、極めて重要な問題であり、ケインズ主義的政策の限界とも言われている。本書ではケインズ主義の特色を、公共投資と累進的所得税及び法人税を基幹とする直接税中心の租税制度で「所得の再分配」を行うと定義している。いわゆる「20世紀福祉国家モデル」である。たしかに、市場のグローバル化=資本のボーダレス化は、経済に対する国家の役割を極小化する方向に動き、福祉国家モデルは破綻したと伝えられている。時代はまさに「反・ケインズ」に違いない。しかしながら、私はあえてケインズ主義的公平配分路線を、ボーダレス経済の中でいかに政策的なリニューアルしていくかが現実的課題と考える。これからは「大きな政府」か「小さな政府か」の議論ではなく、「効率的な政府」をいかに実現するかであり、「無駄な公共事業をなくせ!」というスローガンではなく、「公共投資の質的転換を!」である。
 ここにきて、神野教授の著作を4冊(「地域再生の経済学」、「人間回復の経済学」、「二兎を得る経済学」、「希望の島への改革」)続けて読了できた。今後の政治活動を行う上で、財政学は貴重な経済学理論である。大いに参考になった。今年中に、「財政学・改訂版 public finance」(神野直彦著・友斐閣・3,200円)を是非読みたい。
 明日から、関西方面へ県議会・商工労働企業常任委員会の県外視察研修。しっかりと学んできたい。概要は以下の通り。
 参加者は臼井正一委員長、猿田寿男商工労働部長はじめ委員11名、職員6名 計17名。
 10/16(火) ① 滋賀県長浜市 第三セクター(株)黒壁
    17(水) ② 大阪ウォーターフロント開発(株)
          ③ 大阪府りんくうタウン誘致課
    18(木) ④ (株)神戸ながたTMO 
   
by takinowa | 2007-10-15 20:09


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