12.10.13(土) トップイーストDiv.1 釜石SW 対 日本IBM in 八千代

 9時、小林天神幼稚園大運動会開会式で御挨拶。 石橋鉄太郎理事長の解説で年長組徒競争を見学。 どのレースも実に立派で感動した。
 午前、政務で地元をまわる。 11:45、印西を出て八千代市へ向かう。
 12時半、八千代台の日本IBMグラウンド。 千葉県ラグビー協会長として、夏目健理事長とともにトップイーストリーグ Div.1 :日本IBMビッグブルー VS 釜石シーウエイブスR.F.C を観戦。 両チーム首脳に御挨拶。 県内で公式戦を開催して頂くことに心から感謝申し上げる。
 ホームゲームとなる日本IBMはNEC、NTTコム、クボタとともに千葉県協会傘下のトップチームで、国体への選手派遣や地域貢献で大変御世話になっている。 一方、ビジターの釜石シーウエイブスR.F.C は日本選手権を8度制覇した名門・新日鉄ラグビー部が前身だ。 2001年に地域密着を目的として企業チームからクラブチームへと変貌。 しかし、昨年3.11、東日本大震災が発生。 三陸海岸に面する釜石市も、9mを超える大津波で甚大な被害を受けた。 震災直後からチームの屈強な男たちは「再び釜石を復活させよう!」と起ち上がり、献身的な復興ボランティア活動に長期間従事したとのこと・・・ 釜石の市民にとってシーウエイブスは心の支えであり、彼らの闘う姿から勇気を与えられたに違いない。 まさに、復興へ立ち向う彼らの雄姿が眼に浮かぶようだ。 そんなファンの熱い思いに応えるべく、釜石のラガーマンはトップリーグ昇格を目指し頑張っている。
 13時、絶好のコンディションのもとキックオフ。 魂の入った強烈なタックルや見事なパスとキックの応酬が展開され、集まった多くのファンの皆様にきっと御満足して頂けたものと思う。 ゲームは前半を終わって14対14の競った展開となったが、後半20分過ぎからFW戦で優位に立った釜石がIBMを圧倒。 47-21 でノーサイドとなった。 これで、釜石は開幕4連勝となり、ファンの夢も大きく膨らむに違いない。 逆に、善戦したIBMは残念ながら4連敗。 後半戦の巻き返しを是非とも期待したい。
 さて、思い起こせば日本選手権7連覇を遂げた釜石の全盛時代、わが母校・同志社大学と四度にわたる死闘がラグビーファンに伝説として語り継がれている。 特に、松尾雄治の引退試合。 若き平尾誠二とのレジェンド対決や林、大八木、土田らの溌溂とした活躍、森、洞口、石山、千田・・・の燻銀のようなプレイ、 そして、満員の国立競技場スタンドに乱舞する大漁旗。 どれも昭和のセピア色した追憶として、私の心に深く残っている。
 昭和繋がりで話は飛ぶが、大漁旗といえば甲子園を沸かせた銚子商の応援も凄かった。 今秋の県大会では決勝まで進出したとのことであり、ラグビーの釜石同様に名門復活を心から願いたい。
 15時、八千代市から印西へ向かう。 15:45、木下の事務所にもどり仕事。 17時半、帰宅。
 夜、しみじみとラグビーというスポーツについて考える。 ノーサイドという言葉が英国発祥のフットボールにある。 サッカーのことはよく分からないが、ラグビーの場合、単なるゲームセットの意味合いとは全く異なって、この言葉は使われている。 勝ち負けを競うゲームのレベルではなく、「ノーサイド」はエリート主義的な精神を鍛える場での重要なタームになっていると考える。 誤解のないように申上げるが、ここでいうエリート(選良)とは家柄や社会的地位、学業の成績(偏差値)のことではない。 あくまでも精神に関する定義であり、オルテガ・イ・ガセット流に言えばノブレス・オブリージェ「高貴さとは義務を強制する=自己に課すべき高い義務を常に保持し続ける 」 、佐藤優流では「愛する国家や故郷、家族のために、生命至上主義と個人主義の限界を超え、必要とあれば自らの命を差し出す気構えを示す」といったところだ。
 ラグビーは雌雄を決する格闘技的要素の強い競技だ。 ラガーマン同士の命と名誉(誇り)を懸けた決闘と例えても過言ではない。 と同時に、ノーサイドに象徴されるように、本質的に精神主義的スポーツと私は思う。 ラグビーでは、戦いに勝つことを目的とするが、勝ち負けが全てではない。 英国のパブリックスクールでは男の嗜(たしな)みとして必須課目にもなっている。 そこでは指導者から基本的なこととして、レフリーに対してはもちろん、本気で戦う相手に尊敬と信頼の念を持つことを徹底的に教育される。 ルールの大事さ、闘った相手への尊敬と友情、仲間への優しさと思い遣り、チームへの責任感・・・等々  ゲームを通じて体験した非日常性を、ノーサイドによって心に深く刻むという意味があるといえよう。 思想的には西欧流の騎士道精神の伝統を感じるし、日本の武士道との親和性も高いのではなかろうか。 日本社会に蔓延する「弱い者いじめ」の空気を蹴り飛ばす上で、「One for all , All for One .」(=一人はみんなのために、みんなは一人のために)のラグビー精神を、私は全力で広めて参りたいと考えている。
 翻って、自分が現在いる政治の世界について考えてみる。 武士道や騎士道は言うに及ばず、ノーサイド・スピリットから真逆の光景が日々繰り広げられている。 国政におけるドタバタやポピュリズムをはじめ、地方レベルでも同様だ。 決して、厳しい局面では矢面に立とうとせず、剰(あまつさえ)当事者でもないのに無責任かつ無教養な主張や行動をする輩の何と多い事か。 「市民の声」を盾に、いや、実は「大衆世論」に迎合し、その尻馬に乗って無責任な発言と思いつきの意見を吐き散らかす。 酷い時など、筆者は背後から銃で撃たれるような経験もしている。 ハッキリ言えば現在、卑怯で我儘な「自分さえ良ければいい」主義が、政治家の流行病として蔓延しているのではないかとさえ申上げたいくらいだ。 私は同志とスクラムを組んで断固闘う。
 私はラグビーで学んだ精神を今後も、とにかく大事にしたい。 大義を第一に、正直に政治を行って参りたいと思うものである。 
by takinowa | 2012-10-13 19:55


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