12.02.20(月) 野田内閣支持率、危険水域・29%に下落

 共同通信が先週末に実施した世論調査で、野田内閣の支持率は29%と前回調査より6.8㌽下落。 発足5ヶ月で危険水域とされる30%を切った。 不支持率は7.2㌽上昇し過半数超えの55.2%。 報道各社の世論調査でも概ね同様の数字が出ており、「政権運営へ影響必至」と報道されている。

 福島県と福島県立医大は20日、東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、全県民を対象に実施中の健康管理調査で先行調査した周辺3町村の住民(約一万人)について、3.11後4ヵ月間の外部被曝量(推計値)を発表した。 一般住民の最高値は23m㏜。 福島県立医大の山下俊一副学長は記者会見で、「年間100m㏜以下の被曝では明確な発癌リスクはなく、この結果から健康影響は考えにくい」と説明している。(時事通信社ほか)
 ここにきてマスコミ世論も、少しずつ冷静さを取りもどしているようだ。 数字を大騒ぎせず、淡々と伝えるようになってきた。今回の調査結果で注目すべきことは、福島県内で最も放射線量の高い地域で、99.3%の県民の外部被曝が10ミリシーベルト未満であったということ。 客観的に見て、今回の調査結果はチェルノブイリほか世界の放射線被曝地と比べても、桁違いに低い被曝量であったのだ。 本ブログでも紹介した中川恵一・東大医学部准教授や高田 純・札幌医科大学教授の本を御一読頂ければ十分理解可能である。
 放射線防護学の第一人者・高田純教授は6月に現地調査を行い、「福島県民の今年一年間の積算被曝量はレベルD(2~10m㏜)です。来年はもっと下がります。ニュースでは福島は放射能で危ないと言われているが、福島県民は今回の事故によって健康被害を受けないというのが私の調査の結果です」(「The Liberty web」 より)と述べている。
 また事故直後、11年3月26日付朝日新聞は、ICRP(国際放射線防護委員会)の07年勧告に基づく声明(3/21付)を報道している。
 その記事の中で「07年の勧告では、一般の人が年間浴びてもいい放射線量を三つの範囲で指定。緊急時は20~100ミリシーベルト、緊急事故の復旧時は1~20ミリシーベルト、平常時は1ミリシーベルト以下とした」と、ICRPの勧告を紹介するとともに「一般的に放射線の被曝量が100ミリシーベルト以下なら、健康への影響は心配ないとされている」、と書いている。 また、日本アイソトープ協会・佐々木康人常務理事のコメント:「ICRPの基準はもともと、余裕をもって設定している。 日本の基準はさらに、厳しめの数値を取っている。 1~20ミリシーベルトという数字なら、健康に全く影響はない」も記事にしている。(太字は引用者)
 本ブログ読者は、本日の福島県と県立医大の調査結果の発表をどう受けとめたであろうか。
 
 手嶋龍一 著 「 ブラック・スワン降臨 」(新潮社・1,500円)を読む。 著者は、2001.9.11から11.3.11 までの10年、日本が世界のインテリジェンス戦争の蚊帳の外となり、特に政権交代後の民主党政権で外交・安全保障が未曽有の危機に瀕している、と指摘。 普天間問題に端を発する日米同盟の軋みと、それに付け込む中・露・北朝鮮の振る舞い。 福島原発事故への対応の度し難い拙さ・・・ほか豊富な事例を迫真のノンフィクションで紹介する。 特に、菅総理が行ったパフォーマンス、カメラクルーを同乗させての3/12・福島原発ヘリコプター視察と初動対応の遅延の件(くだり)は、一国民として腸の煮えくり返る思いがした。
by takinowa | 2012-02-20 22:08


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