10.05.06(木) 保守政治研究会・中川八洋ゼミ(6)

 冷静になって物事を観察し、自分も反省せねばならない。 この間の鳩山総理と小沢一郎幹事長へのバッシングは度を越しているのではなかろうか、と。
 もちろん、日々・50萬円、月々・壱千五百萬円、毎年・壱億八千万円、判っているだけでも12億6千万円の御小遣いを母親から貰い続け、脱税の事実を「一切知らなかった」と語る黄金総理大臣及び台車で現金4億円を陸山会事務所から運ぶ小沢幹事長元秘書の石川代議士・池田光智氏の政治とカネに対する感覚や、普天間基地移設問題に関する鳩山内閣の迷走・・・等々を、私は全く理解できないし況してや庇う気も更々ない。
 しかしながら、昨今のマスコミ報道は尋常ではない。 かつてあったリクルート騒動の時の自民党叩きやオウム報道と変わらないではないか。
 また、自民党も情けない。普天間移設や政治とカネでマスコミ世論に同調し、ただ大騒ぎするだけでは何の展望も拓けないはずだ。これでは、野党時代の民主党の無責任な政治手法(=政局優先主義)と同次元になってしまう。もっと言えば、即物的群衆心理に依拠した発言にしか聞こえない。 同じ批判でも、与党・民主党に対しより根源的な議論を挑まなければ、国民の信頼回復には結び付かないということを申し上げたい。このままでは、敵失に恵まれ7月の参院選で、民主の単独過半数を幸運にも阻止できたとしても、8月には蝉の抜殻のような党派になってしまいかねない。 選挙至上主義は民主党やその他の政党に任せればいいではないか。 今の自民党にとって最も重要なことは、思想の強化である。
 こういった時ほど、真正の保守に原点回帰し、国家の危機を乗り切る理念と政策を国民に提示していかなければならない。また地方政治家は、健全なる草の根保守を再生・強化する活動を、今こそ地域で展開すべきである。 もっと言えば、小手先の政策論ではなく、思想を鍛え強固な意志を持って現実の諸問題に体当たりすることが大事と考える。批判を恐れず、一身を投げ打つ覚悟を示す捨て身の政治が求められているのだ。
 午前中、地元を廻る。11時、印西を出て東京へ向かう。
 13時、千代田区内幸町で千葉県議会自民党保守政治研究会の勉強会。同志県議8名と中川八洋・筑波大学名誉教授を囲み、6度目のゼミナール形式の勉強会。途中トイレ休憩10分だけ、18時半まで約5時間30分の集中ゼミ。テーマは前半が CO2・25%削減問題、後半は三権分立論であった。前半は地球温暖化の科学的根拠について、後半はモンテスキュー「法の精神」、ハミルトン「ザ・フェデラリスト」をテキストに三権分立論の意義を徹底して学ぶことができた。学術的にもレベルが高く、また県議会一般質問でも十分役に立つ内容であったと思う。
 私が通っていた大学で学んでいた学問は、佐藤優「私のマルクス」(文藝春秋)にも書いてある通り、社会的に言えば現世御利益(げんせごりやく)とはほとんど関係がなかった。 そのため、人間の生き死にや生き方に関わる哲学・思想といった資本主義的価値や常識とは異なった世界が、人生の知的関心領域となった。 現在、中川ゼミで学ぶ政治経済分野の哲学者達、すなわちバークやベルジャーエフ、トックビル、オルテガ・・・とは読書を通じお付き合いしてきた。確かに、世間或いは政治の世界でも余り知られていないが、今こそ根源的な保守思想こそ、混迷するわが国の政治状況で大きな意味を持ってきていると考える。
 21時半、有楽町を出て印西へ向かう。23時、帰宅する。知的興奮を覚え、元気と勇気が湧いてくる思いだ。明日からも、前向きに頑張りたい。 読書して就寝。
 村上春樹 著 「海辺のカフカ 上」(新潮社・1700円)を読む。
by takinowa | 2010-05-07 00:28


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