10.04.01(木) April fool

 いよいよ本日から新年度がスタート。新人県議として任期の最終年。この一年、精一杯の政治活動を行い、選挙区有権者の審判を仰ぐこととなる。日々、是勝負といえよう。もちろん風頼みのパフォーマンス選挙やポピュリズム政治ではなく、地域に根を張った政治と真摯な対話が大事と考える。
 また、3/23の1市2村合併で、旧印旛・旧本埜地区も新印西市選挙区となった。 選挙区面積が約2.4倍(124k㎡・東西20km・南北10km)、人口も22,000人増(88,000人)となり、今まで以上にフロンティア・スピリットを以って精進しなければならないであろう。
 
   県議・滝田敏幸、もの申す! 是は是、非は非 (27)
     【 白井市は合意通りの負担を!


 白井市議会が県や沿線自治体との正式合意に基づく北総鉄道運賃値下のための同市助成分を削除する新年度一般会計予算修正案を可決した問題は、大きな波紋となっている。一体全体、修正案に賛成した白井市議は事の重大さを理解しているのだろうか。
 もちろん、「普通運賃5%・通学定期25%の値下では納得できない」という市民の声があることは知っている。私も同様に、京成電鉄の頑なな交渉姿勢や国の調停案には不満を抱いている。ただ、今回の県と沿線6市2村及び鉄道事業者の正式合意は、決して満足ではないが「更なる値下げに向けた第一歩」であり、「風穴」と認識している。
 それを、「納得できない」という理由で、同市助成分の支出削除を議決してしまうとは乱暴過ぎると申し上げたい。3/30付ブログにも書いたが、ことは白井市単独の話ではなくなってしまうことを理解されているのだろうか。北総鉄道運賃問題で、現実の交渉過程を全く知ろうとせず、過激(=勇ましい)な発言やパフォーマンスで住民に自己顕示をはかる政治活動は如何なものか。現時点で、荒唐無稽の理想論を主張することは、無責任の誹りを免れまい。ベストに拘り続け、結果としてワーストに至る可能性を認識されているのだろうか。
 千葉県によると、白井市の北総鉄道通学定期25%引下げの補助金実績額は6446万円(2008年度)。県と沿線自治体による合意通りならば、白井市の通年負担額は3450万円(3004万円の負担減)で済むことになるのだ。さらに普通運賃5%の引下げも加わるのだ。地元の財政負担も半分近くまで減り、プラスして普通運賃も下がるという事実をどう評価されるのか。ここは、「決して満足いく結果ではないが、値下げに向けた第一歩」と受け止めるのが常識なのではなかろうか。
 それ以上に問題なのは、同じくこれまで通学定期25%引下げを実施してきた印西市は、値下げを維持するためには1億3178万円(2008年度)が必要で、年間約5100万円の負担増となり、補正予算を組まなければならなくなる。もちろん、普通運賃5%値下げもパーとなってしまう。いずれにせよ、白井市議会の修正案可決は印西市民はもちろん沿線住民・行政・議会にも大迷惑なのである。
 県幹部は「11月末に県と沿線自治体が取り交わした合意通り白井市が補助しない場合、合意の白紙化は避けられない」(3/31付・千葉日報)と訴えている。まさにゼロ回答、いや印西市(もちろん白井市も)にとってマイナス回答となってしまう危機なのである。
 「・・・白井市議会の一部に政治テロを仕掛けている議員がいるのか」、「白井市議会は他の自治体や住民の迷惑をなぜ考えないのか」、「威勢のいいことを言っているが、本当に無責任としか思えない」といった厳しい意見のメールも数多く寄せられてきている。
 また、北総鉄道のパスモのシステム構築経費にかかわる損害賠償も発生すると指摘されており、当然、請求先は白井市とする可能性も高い。もしそうなった場合、印西市はじめ5市は被害者であり、県も含め損害賠償請求を受ける筋合いは全くない。
 白井市の住民によると、これまで「抜本的解決」を叫んできたのは、若井康彦代議士であり、横山久雅子市長であり、民主党系市議の先生方であったそうだ。そう考えると、若井氏も横山市長も、鳩山総理が「最低でも県外」と主張し、唯でさえ複雑な状況を一層ややこしくしてしまった普天間基地移設問題への対応とあまりにも似ているではないか。いずれにせよ、他自治体への影響は計り知れない案件である。是非、責任ある政治を行って頂きたい。

 佐藤 優 著「はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲」(NHK出版生活人新書・780円)を読む。
 「理念や理論は現実の世界で具体的な形をとった時にはじめて意味をなす。・・・、倫理とは個別具体的な状況での判断だとすると、そのことは人間にとって苦しい決断を強いることになる」(P245)
 「・・・、近代という時代になると、このような(啓示の)外部性は捨象され、人間の内面化が肥大化していく。人間の自己絶対化はここから生じた・・・」(P248)
 私自身の政治活動において、常に意識していることなので二つの箇所を引用・紹介させて頂いた。まさに、小生が北総鉄道運賃問題で、現実に対し苦渋の判断をした際の心情をずばり言い当てている。平易に書かれた神学書であるが、きわめて実践に役立つ実用書といえよう。佐藤の本を読むと、実に空気が入り、思想が鍛えられたような気分になるのだ。
 佐藤の信仰とキリスト教理解、思想、人生観及び問題意識の形成は、恐らく十代後半から二十歳前後にほぼ原型ができあがっていたのではなかろうか。 
by takinowa | 2010-04-02 00:44


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