「千葉県と印西の大地と自然を愛し、歴史に学ぶ。先人をうやまい、自然に感謝する心」(HP「政策提言」より) 私、県議・滝田敏幸の政治信条(基本的な考え方)の第一番目である。
見事な秋晴れのもと9時、私が役員を務めるNPO法人・いんざい水の郷ネットワーク 秋の収穫祭に参加。昨夜、木枯し1号が吹いて空気も澄んでいる。秀麗な筑波山(876m・日本百名山)の稜線が、美しく見える竹袋地先の薩摩芋畑へ。同畑は私の中学時代の同級生で市役所職員・ITさん(通称:てっちゃん)の御好意により、NPO法人が約0.5㌃程お借りしている。Iさんは、水の郷ネットワーク以外でも蔵や町屋の保存運動の中心「木下まち育て塾」でも活躍するなど、印西ではミスター町興し的存在。決して偉ぶったりせず昔から人の面倒見が良く、且つ労力を惜しまず、市民から大いに信頼されそしてその人柄が愛されている。実に頼もしい友人であり同志なのだ。(08.02.23付ブログにもITさんが登場しているので御覧頂きたい) 収穫祭には柴崎達夫理事長はじめ会員多数、市や商工会職員が参加し芋掘りに汗を流した。約1時間の人海戦術の末、コンテナ約20杯分の薩摩芋が収穫された。絵に描いた様な大豊作!! まさに、実践体験を通じ商工農連携を皮膚感覚として実感した次第である。 本日収穫された薩摩芋は美味しい焼芋となって、11/15の印西商工祭を皮切りに各種イベントで提供されます。是非御賞味下さい。10:40、自宅にもどり、泥んこの服を着替え、市文化ホールへ向かう。 11時、文化の日印西市功労賞表彰式典へ来賓出席。市長・議長・教育長はじめ行政・議会幹部出席の下、多年にわたり印西市発展に尽力された24名と5団体が晴れの表彰を受けた。心から祝辞を述べさせて頂く。正午、受賞者との食事会。13時、事務所にもどり仕事、来客の対応。夕方から公務OFF、プライベートで小人数の会合。夜、読書。 北総鉄道運賃問題がいよいよ最終局面を迎えつつある。本日は久々で、このことについて本気で書く。 結論を先取して言えば、森田健作知事が10/1・自民党代表質問に「不退転の決意」、「国の責任で解決」と答弁した通り、千葉県は本気である。 読者に御理解頂けるように、これまでの経緯を振り返る。 1. 千葉県はこれまでの国・鉄道事業者との交渉過程で、「鉄道利用者の応分の受益者負担」、「京成電鉄の北総鉄道線路使用料の合理的根拠を示すこと」、「沿線在住県民の不利益はNO」・・・といった県議会において議論され確認された基本原則について、対国土交通省・対京成電鉄及び北総鉄道で一歩も引かず主張している。 2.しかしながら、運賃の許認可権は国土交通省、運賃の認可申請は京成電鉄という厚い壁(高いハードル)が存在する。千葉県には運賃決定に関する実質的権限は全くない。 3. 京成電鉄には「成田新高速鉄道の事業性確保」、「株主利益の極大化」・・・といった京成なりの「大義(=言い分)」がある。本年春まで京成は、北総鉄道の運賃問題は存在しないという立場を崩さず、国・県及び実川幸夫前代議士との交渉も平行線が続く。(=交渉のテーブルにつかない状態) 4. 本年5月以降、年間・地元4億円、京成4億円の計8億円負担による北総鉄道運賃値下案が浮上。(マスコミでは県の案と書かれているが、実質的には国の調停案である) 5. 本年7月、森田健作知事は、 (イ)「北総線運賃値下に風穴(突破口)を開け、今後も県と沿線自治体が一体となって値下に向け努力する」 (ロ)「千葉県による年間2億円の財政出動」 という政治決断を行い、国の調停案に従い8月以降、県は沿線6市2村と調整の協議に入った。 まさに、森田知事及び沿線首長による苦渋の決断であった。森田知事はじめ県及び地元行政関係者、もちろん私も納得のいく数字(調停案)ではなかった。しかしながら、交渉には必ず相手があるのも事実なのだ。住民感情からすれば値下げ幅が少ないという反発も予想された中、上記の2と3の理由により、国の調停案を受け入れるという現実的選択を行ったのである。このことは、2010年・成田新高速鉄道開業という「機会の窓」を閉ざさない、という意味で正しい決断であったと評価したい。 6. 8/30、総選挙。自民党惨敗と政権交代。実川幸夫代議士の落選及び金子一義国土交通大臣の交代確定。北総運賃問題が谷垣・金子歴代国交相の大臣案件であったことを考えると、政権交代による国の調停案に対する対応への影響が懸念された。 7. 9/5、千葉県と沿線6市2村合意。(地元負担4億円、全線で5%値下、通学定期割引率10%引上、5年後見直し) 8. 9/18、県と京成の協議の場で、京成側が4億円負担に強い難色を示す。 9. 10/1、森田知事、自民党代表質問に「不退転の決意」「国の責任で解決」と答弁。 10. 10/16、加藤岡正・交通計画課長(総合企画部・小川雅司部長)、県議会総合企画水道常任委員会で滝田敏幸県議の質問に対し「必要と考える場合には、株主としての権利行使も検討していきたい」と述べ、交渉の展開次第では株主代表訴訟も視野に、運賃値下に向け努力することを表明(千葉日報より)。 森田知事の「不退転の決意」を裏付ける答弁であり、質問者の私も大変アドレナリンが上昇した。いずれにせよ、交渉では県としても何枚かのカード(切り札)を準備しているだろうが、伝家の宝刀(若しくは、大魔神)が垣間見えた瞬間であった。 11. 10/20、森田健作知事及び佐藤栄一印旛村長ほかが、前原国土交通大臣へ成田市で北総鉄道運賃値下を要望。客観的に見て、政権交代による混乱と多忙で、前原大臣が北総鉄道問題を認識したのは10月中旬と推測される。地元の若井代議士は、今まで何をされていたのであろうか。自治体の要望・陳情は、幹事長室で集中・一元化して扱うという党の方針のため、前原大臣には近付けなかったのかも知れない。決して、不作為などではないであろう。 12. 10月末現在、水面下で交渉は行われているものの、未だ膠着状態。 いずれにせよ、京成電鉄が9/5に県と6市2村で合意した運賃値下案(=自民党政府時代のもの)を拒否するならば、国の責任すなわち前原誠司大臣が新たな調停案を示すべきと考える。本当に悔しいが、実川氏や我々が進めていた案よりも前進し交渉がまとまるならば、大いに評価し拍手を送りたい。今は一県民として正直、心から期待している。 いずれにせよ、北総運賃値下は自民や民主といった党派に関係のない問題である。イデオロギーとは別の官民を跨ぐ第3セクターの経済問題なのだ。 最近、心から残念に思い、悲しく切ない気分になる。心ない一部地元紙の感情的な報道やオンブズマンを称する市議の変なビラが出回っていることについてである。特に後者においては、分別ある高齢者の年代の先生にも拘わらず、「抜本的な解決」を叫んでいる。論理に飛躍がある方なのだろう・・・、とても議論はできない。まさに、「左翼」である。元新左翼運動に身を置いた私が驚くほどである。 また、北総線を値下する会も、「北総線5%程度の値下げならNO! 新政権の政治決断を求む 前原国交省大臣にハガキを」との見出しでチラシを配布している。「・・・北実会では近く前原大臣に面会し、これまでの経過を伝え、国交省としての政治決断を強く要請するつもりです。・・・」とのブッ飛んだ「革命」的内容を読み、大変驚く。 千葉ニュータウンは住民運動が盛んであり、なおかつ会長の吉田治夫さんは私の尊敬する同志社の先輩でもあるので、この活動には注目している。是非、皆様のお力で政府・前原大臣の決断を促して下さることを御祈念申し上げる。心から応援したいが、現下の政治状況では陳情の窓口は民主党幹事長室に一元化されるとの報道もあり、前原大臣への直訴は有効かどうか未知数と思われるが・・・ 但し、私の立場は全く異なる。具体的には、まず県と沿線自治体合意案で値下の突破口(風穴)を開け、その後、抜本的解決を目指すという段階的解決論の立場を取りたい。その際は民主党政権に対しても、私なりに大いに政治決断を要望するつもりである。現時点で大事なことは、何度も繰り返しになるが「機会の窓」を閉ざさないことだ。是非、沿線県民の皆様には御理解頂きたい。
by takinowa
| 2009-11-03 13:58
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