09.11.01(日) 栃木市・蔵の街 視察

 8時半、印西を出て栃木県栃木市へ向かう。最高の日和058.gif。11時半、佐野市。途中、有名な御当地の手打ラーメン(600円)と餃子を食す。
 13時、栃木市着。市役所駐車場に車を停め、徒歩で視察。市庁舎近くには明治16年まで栃木県庁の所在地であったため、県庁堀と呼ばれる歴史と伝統を感じさせる堀も残されている。巴波(うずま)川沿いに横山郷土館、とちぎ蔵の街美術館、とちぎ山車会館、山本有三ふるさと記念館、とちぎ蔵の街美術館を散策マップに従って見学。同市は江戸時代より巴波川舟運で栄え、豪商達が白壁の土蔵を河川両岸に沿って建てていった。栃木市の蔵の街並みは、かつて栄華を極めた栃木商人の歴史遺産と言える。佐原や川越同様、小江戸情緒あふれる街並景観は、往時の商都としての繁栄を偲ばせ郷愁を誘う。また行政も、歴史的観光資源である蔵を有効活用し、文化的公共施設を整備・配置している様子が伝わってきた。河川整備も含め、立派な都市計画だ。まちづくりに哲学を感じる。
 豊後高田でも感じたことであるが、中心市街地活性化の成功事例には少々抽象的になるが、「歴史資源の再生・活用」、「景観(修景)事業」、「レトロ」、「市民活動」、「地域共同体再生」、「地域文化再生」といった鍵概念があると思う。もちろん、地域住民の地元への思いや郷土愛、行政や商工会、観光協会、住民団体、NPOとの連携も大事である。
 「町場の再生」をテーマに私はこれまで約10年程、研究・実践し政治活動を行ってきた。結論を先取して言えば、経済合理性に基づく市場原理主義とは対極の、私の造語になるが「共同体経済」の視座と復権が必要と考える。それでは、共同体経済の視座とは何かと言えば、「私」的な利益の追求よりも「公」的な掟(おきて)や地域の絆(人間関係)に価値を見出す経済活動と申し上げたい。そして、その根本には地域の自生的秩序や伝統・文化、サスティナビリティ(持続可能性)を保守するという思想がなければならない。視察を行いながら、いささか理屈っぽいことが思い浮かぶ。これも、職業柄か。
 最後に巴波川沿いの船着場から、「うずま川遊舎」という市民団体が運営する遊覧船に乗船。料金は15分程度のコースで、500円/大人。平日でも100人、土日祭日は200人以上が利用とのこと。事業も採算ベースで十分軌道にのっているというから素晴しい。川の水深が浅いため、船頭は竿を使っている。のんびり楽しめ、満足度が高い。われわれのNPO・いんざい・水の郷ネットワークの舟運事業とは趣を異にしているが、シーズン中は毎日運航とのことで大いに驚く。学ぶべき点も多い。
 翻ってわが印西市の中心市街地活性化は、基本計画にも謳われる伝統復権のための文化運動でもある。「水郷・水辺空間の活用と環境整備」、「歴史資源(蔵・町屋)の活用」、「食文化の発掘」・・・、まだまだ途半ばであるが、粘り強く今後も主体的に取り組んでいくつもりだ。
 休日のため行政関係者から事情を伺えなかったが、再度訪れ研修を行ってみたい。15時半、現地を出て千葉へ向かう。夕方から激しい057.gif。夜、小人数で会合040.gif。かなり疲れて帰宅。夜、読書。
by takinowa | 2009-11-02 16:26


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