09.08.31(月) 衆議院選総括

 19時現在、台風11号は房総半島の南南東約60kmを北上中。夜半に上陸の恐れもあり、印旛地方にも大雨・洪水・暴風警報が発令されている。何時でも消防・水防団員として出動できるよう自宅待機。
 今朝、さすがに起きられなかった。身体もいうことを聞かず、動いてくれない。確かに衆院が解散した7/21以降、極度の緊張にあったと思う。率直に言えばこの間、自民への逆風は運動の中で誰よりも感じていた。ただ、わが千葉13区(印旛・鎌ヶ谷)、とりわけ印西では勝ちたかった。まさに、実川幸夫・党県連会長の6選は至上命題であり、重圧を感じる日々が続いた。選挙結果は報道の通り、あまりに厳しいものとなった。実川候補並びに支援者の皆様には、13区選挙対策副本部長として、私の力量不足を深く御詫び申し上げる。と同時に、印西地区で共に戦って頂いた多くの同志にも心から頭を下げねばならない。まさに、ボランティア精神を発揮し、連日早朝から夜の駅頭まで昼夜を問わずの頑張りであった。その懸命な訴えは、必ず有権者に伝わったと思う。
 選挙期間中、相手陣営の姿もほとんど見られず、何か「見えないムード」と戦っているような感じがしたのも事実である。恐らく運動量では危機意識を持ったわが方が、民主党を圧倒していたに違いない。一体、この結果をどう総括するか。現時点で考えられることを三つ書く。
  
  その一 「自民党の自壊」
 政治的には、2001年4月の小泉政権誕生時に掲げた公約「自民党をぶっ壊す」が、まさに8年後の今達成した。自民が自壊した最大の原因は、小泉・竹中路線=構造改革が急進的に進めた新自由主義政策を、軌道修正できなかったことに尽きる。ポスト小泉の安倍、福田政権では、党内の「構造改革」と「公平配分」という異なる路線の双方に配慮する難しい経済運営を強いられた。結局、「虻蜂取らず」となってしまう。昨年9月のリーマンショック以降、麻生政権ではケインズ政策に舵をきったものの、格差拡大や貧困問題など野党やマスコミの新自由主義批判に晒されることとなった。まさに、新しい資本主義の理念や共生社会のビジョンを明示できなかったのである。また、後期高齢者医療制度や介護保険、年金など社会保障や税制についても、その制度設計の理念も含め国民の理解をえられなかった。
 さらに、新自由主義は党組織の基盤となっていた地域社会をも壊した。また、各分野のエリートを糾合してきた自民党の感覚も鈍っている。かつては、皮膚感覚でその辺りもわかっていたと思う。人のために一生懸命頑張るエリートをうまく糾合してネットワークができていた。しかし特に、「05年・郵政選挙」以後、新自由主義的傾向が強まり、そのネットワークも弱体化した。やがて、劇場政治に代表される都市型無党派層を意識し過ぎたポピュリズムへと流れていく。いよいよ、自民党の液状化現象は最終段階を迎え、8/29総選挙に至った。
 55年体制下における自民党の使命は、「反共・資本主義擁護」と「豊かな社会の実現」であった。実は、その役割もほぼ15年前に終わっていたのである。政治学的に少々突き放して言うと、戦後政治の枠組みが崩れたことで、自民党の存在意義そのものがなくなっていたのである。それを、ここまで延命させたのは、トリックスター・小泉純一郎元総理のなせる業だったと思う。いずれにせよ今後、自民党は混乱し、四分五列する可能性も排除できない。しかし、この国にとって真正の保守政党は絶対に必要だ。問題は、その新しい保守が自らのレゾン・デートル(存在意義)をどう再定義できるかだと考える。農村や都市で地域に「草の根保守」を再生することができるならば、自民党は「甦る怪物」になると私は確信する。

  そのニ 「権力党の誕生」
 民主党の大勝は、私にとって覚悟をしていたというよりも想定内であった。ただ、私は「05年・郵政選挙」の反動といった見方や、政治学でいう自民と民主の間の「振り子理論」には与しない。実態的には「郵政民営」から「政権交代」へ、選挙テーマが「熱狂」と「熱狂」の間で振れたと考える。私は何も、負惜しみを言うつもりはない。「郵政民営」にしろ「政権交代」にしろ、「国体観なき『熱狂』がもたらす『人民主権主義』ほど怖ろしいことはない」と、申上げたいのだ。結果、現行の小選挙区制度では、政治がオセロゲーム化する可能性も高い。私は日本の政治文化としては、小選挙区による「政党選択」ではなく、余程中選挙区制の「政治家選択」が合っていると考える。
 また、自民党の一部には、早晩に民主党は分裂し、自滅するという見方があるが、私はそうは思わない。かなり甘い。民主党はどんなことをしても権力を維持しようとするだろう。また、外交・安全保障なかんずく日米関係や暫定税率問題などマニフェストは出鱈目であったが、彼らは政権与党となり責任が発生すれば現実的な修正を即行うはず。民主党の目標は来年の参院選で勝利し、衆参単独過半数を確保することだ。民主党の自滅ではなく、自民党の分裂やミニ政党の消滅を危惧しなければならない。
 私の見る限り、民主党は自民党以上に「権力党」の要素が強い。民主党のマニフェストを検証すると、基軸となる理念は「官僚制打破」といえる。ただ、民主党の御意見番である平野貞夫・元参院議員は「困ったことに、現行6政党の中で最も官僚的な組織が民主党なのだ。これは県連の組織、その対応も含めてそうだ。・・・、官僚制打破を訴えるならば、まず、民主党自身が官僚的性格を打ち破る必要がある」(月刊日本9月号・P27)と述べている。 

  その三 「守旧派自民党議員」
 当然、私に対しては「守旧派自民党議員」というレッテル貼りを行ってくるはず。国政の不毛なニ項対立の図式を県政はじめ地方に持ち込む事は、十分に予想される。本質的な議論よりもレッテル貼りで「熱狂」の余韻冷めぬうちに、私に対しても整理しようと仕掛けてくるだろう。
 こういった情報操作には、受けに回っては駄目。こちらから、地域密着型テーマでの論争戦を提起しなければならない。
 もちろん、草の根の後援会活動を徹底して強化していくことも大事。風に負けない盤石の組織づくりに励みたい。

 以上、今考え付いた総括を書いてみた。選挙戦術の総括については、インテリジェンスに関わることなのでブログには書けませんが。
 いずれにせよ、自民党・公明党は国政において、責任ある野党として堂々と論陣を張ってほしい。いかなることがあっても、決して民主党が行ったような「何でも反対」して政局化することだけは止めてほしい。まさに、「政局より政策」である。是は是、非は非のスタンスで、臨んでほしい。

   【 8月に読んだ本 】
○ 「グローバル恐慌-金融暴走時代の果てに」(岩波新書) 浜 矩子著
○ 「貧乏物語」(岩波書店) 河上 肇著 大内兵衛解題
○ 「テロリズムの罠 右巻-忍び寄るファシズムの魅力」(角川書店) 佐藤 優著
○ 「テロリズムの罠 左巻-新自由主義の行方」    (角川書店) 佐藤 優著
○ 「浴場の作法」(幻冬舎) 渡辺淳1著
○ 「斜 陽」(新潮文庫) 太宰 治著
○ 「ヴィヨンの妻」(新潮社)太宰 治著 
  
by takinowa | 2009-08-31 23:37


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